風の国から Vol.7

by Peko

 お元気ですか。
 大西洋の観光の街、プエルト・マドリンからバスに揺られること約15時間、アルゼンチンの西端で緑の豊かなエスケール(ESQUEL)という避暑地にいます。街の入口には背の高いポプラの並木があり、風にキラキラと揺れて「風の谷のナウシカ」をほうふつとさせます。しかし、避暑地とはいえ日中の気温は31℃。もう、身も心も溶けだしてしまいそうです。アルゼンチン横断の長距離バスは、運転手が2人交代で運転していましたが、休憩時には必ずワインかビールを煽るという豪快さ。しかも1度なんぞは走りながら運転を交代…。スリル満点のおまけつきでした。バス旅の道中は、相変わらずの沙漠。所々に大小のエスタンシア(農場)があって小包を預かったり、届けたり。延々と続く柵の向うにはやせた羊の群れが草をほじり、あばらぼねゴリゴリの馬が走リ…。家畜にとっても、生活は厳しそうです。
 明日、食料を仕入れたら、チリのプエルト・モンまで、最後の自転車の旅をする予定です。全行程は約500Km。まずは300km北にある「南米のスイス」−「バリロチェ」が目的地で、そこから湖づたいに国境を越えてチリにぬける予定です。アンデス山脈の麓に広がる森と湖の国立公園を経由して行くので楽しみです。  ではまた。お元気で。

 エスケールにて 1990.2.6