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これは、2016年10月16日(日)に実施した
「第6回 美炎・馬頭琴の調べ」の、当日の記録と報告です。
楽しみにお待ち下さっていた皆様には、大変お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
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当日はさわやかな秋晴れに恵まれ、第6回も無事棚田にてコンサートを開催する事ができました。
ご来場いただいたたくさんのお客様に心より御礼申し上げます。
また、多方面に渡りご協力をいただいた皆様方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
このコンサートは、2011年から栃木県那須郡那珂川町にある山の中の棚田を舞台に行われています。
棚田はぐるりを山に取り囲まれているため、あたかも森の中のオペラハウスのような場所。
美炎さんの奏でる馬頭琴の音は、マイクやアンプ等の音響機器を使わずとも山の上までのびやかに広がり
その音色の良さは、関係者のみならず、プロ奏者である美炎さん自身が驚くほど。
おそらく、他では決して聞くことのできないすばらしい音色をお楽しみいただけていると自負しております。
昨年お出でいただいた皆様はもとより、まだ行ったことないよという皆様も、
まずは画像にてお楽しみ頂ければと思います。最後までどうぞごゆっくりご覧下さい。
コンサート風景(スライドショー)
当日のパンフレット
<画像クリックで大きくなります>
馬頭琴奏者・美炎さんの感想
◆虫から借りる会場- 2016/10/20 –
目の端に捉えられていたのはトンボが竜巻みたいにぐるぐる乱舞していたことと、そこにちょうちょらしきものと、後なんの虫だろー?と思いつつ、速い曲を演奏していてこっちもぐるぐる乱舞してたので、目の端にとらえただけなのですが、
あれは夢だったのだろうか?
棚田コンサート。
虫たちの、鳥たちの、自然の場所を正にお借りする形での音楽会。
そこはシゲルさんが一年通して一人でお米を作っている場所。
田植えて、草取りし、水をみて、収穫をやっと迎え、そこで終わりにならないのがシゲルさんの田んぼ。笑
棚田コンサートが終わってやっとシゲルさんの米作りの一年が終わる。
収穫の先にある音楽会は正に収穫を感謝して祝う会になっているのかもしれない。
最後に子供達にいただく花束には棚田の稲穂が必ず入っている。
スタッフの方々とのお疲れ様会では棚田のおにぎりをほおばる。
観光名所でもパワースポットでも名のある建築家のホールでもなく、どこにでもあるような日本の里山の、シゲルさんが先祖から伝えられて受け継いでいる、普段だれも通りかからない山の中の棚田。
ひっそりと、長い時間の中、そこにずっとあった。
扇田と名前の付いたその棚田には要の部分に石舞台がある。
そこから山の奥の水の流れの来る方。
回廊になってる斜面に向かって音がのびる。
ずっと待っていてくれたような場所。
待っていてくれて、見つけることができた。
ここで弾くと一つのことを体感できる。
田んぼも木々も虫や鳥や日の光や雲や風、動物たち、その輪の中に私達もいて、目に見えない色んな存在もいて、共鳴しあっている。
そうやって生かされて、つながっている。
この石舞台にまた戻ってこれたこと、ここで弾くことでそれを体感できること、その瞬間に感謝できること。
その表せられない尊い何かをみんなで共有していること。
わたしにそれを表せるとしたら、それはやっぱりあそこで音楽をやること。
感じることで一つになること。
指折り数えてこの棚田コンサートを楽しみにしてくれている人がいる。
何日も前からずっと天気が心配で眠れなくなるほど晴天を祈ってる人がいる。
田んぼの作業をしながら、もっとここはこうしたら、居心地よくなるのではないか、常にそういう目線で見ている人がいる。
石舞台の上に根付いたねむの木も毎年大きくなっている。
私もここに戻るたびに、ちゃんと成長できているように、それを喜んでいただけるように。
次の田んぼの最後の作業。
棚田コンサートをまた迎えられるために
次の一年をすすむ。
◆かっこよくくずすの苦手- 2016/10/21 –
一つ一つ演奏会を終えるたびに生まれる新しい人との出会い。
それが思わぬところでまた別な出会いにつながっていく。
今回の棚田コンサートはお見送り演奏もほどほどに、その後石舞台の脇でサイン会しました。
いつも来てくれるお客さまと直接やりとりできないもどかしさがあり、お顔をみれて、お話できてよかった!
<中略>
おかげさまでツイッターで繋がった方と実際にお顔を合わせて話ができたのもとっても嬉しかったし、高校時代の友人が数年ぶりに現れたり、元馬頭琴の生徒さんでおめでたのお腹を抱えて久しぶりの再会を喜んだり、絵本作家のいわむらかずおさんが、サインの列に並んでおり、トンボが畔の客席からみると、光ってみえてとても幻想的でしたよと教えてくれたり、
そしていわむらかずおさんにも気恥ずかしくなりながらサインしました。
ところで、サインですが、私のサイン。
美炎って書いてます。
サインって、なんかこう、読めなくて、字のような暗号のようなそういうのがかっこいいと思うのに、私のは美炎そのまま。
いいんだろうかとハタと思うものの、美炎って崩せるようで崩せない。
なんとなーく崩してる風に書いてますが(笑)
そのまま。
<中略>
この棚田にいらっしゃるお客様、犬連れの方もちらほらいます。
えっ?いたの?というくらいどのワンコさんも静かです。
去年だったか?真っ白なオオカミみたいなワンコさんもいらっしゃいました。
ちょっとほんとに終わったあと、棚田にいらっしゃってるお客様とくまなく話したい。
むりかーー。
ヨガマットを敷いてゴロンしたいなら、奥の方のひとが集まらない場所がオススメ。
ただし気持ちよすぎて、音楽聞かずに最後までいってしまう危険性もあります。
それはそれでいいのか。
終わった後のスタッフの方々との懇親会は、いつも泣きそうになります。
いつぞやだったかは、棚田の持ち主シゲルさんの娘さんが、棚田なんて大変なだけで地味な作業と思っていたけど、こんなに沢山の方があつまり、喜んでくれているのをみて、お父さんを尊敬します。
と言っていて、一同ジーンとしたこともあったり、その次の年はその娘さんが結婚されてその次の日が棚田コンサート、それぞれの親戚の方も聞きにいらして、懇親会ではお祝いのムード。
旦那さんとなった方が筋肉ムキムキで、棚田の作業も任せてください!
と頼もしかったり、その次の年では、その娘さんに可愛い女の子の赤ちゃんが産まれて、美炎さんの歌のところでぐっすり寝ちゃいましたと、懇親会では抱かせてくれたり、
今年は!
やはりコンサートの途中でぐっすり寝ちゃいました。でも懇親会のあとで、シゲルさんがニッコニコで抱っこして連れてきてくれて、これはもう後2、3年すると、この子がコンサートの後の花束を持って来てくれる花束贈呈係になるに違いないと確信。
その時はシゲルさん筆頭にみんなで泣く。
今年も花束男子が代替わりしてびっくり。
中学生の大きなお兄さんお姉さんになってるし!
主催のヒロクラフトさんの子供たちがみんな大人になってるのだから仕方なしだし、それはそれで嬉しいことです。
毎度美味しい美味しい懇親会のための賄い料理を作ってくれる里守人の奥様方。
いつも朝早くから仕込み、申し訳ないなーと、思いつつ、お手伝いしたくなるのをこらえて、遠くから見ていましたが、一年に一度のこのみんなでやる料理も楽しみの一つと聞いて、本当に嬉しかった。
ここに紹介したいエピソードは山のようにあるのですが、沢山ありすぎるので今日はここまでにします。
新聞等の掲載
◆なかTV「NEWSなかがわTOWN」より
たくさん取材していただき、また、ご紹介いただきありがとうございました。
お客様のご感想
当日のアンケートで、お客様よりたくさんの感想をお寄せいただきましたので、抜粋してご紹介いたします。
ご感想、ご満足の声、ご希望、ご苦言等々、ありがとうございます。
お客様の声は、とても励みになっております。また、次回開催の参考にさせていただこうと思っております。
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●「赤とんぼ」の時には、赤とんぼが、「風の馬」の時には、風が吹き、「白鳥」の時には、鳥の声が、自然の演出って素晴らしい。
鳥も赤とんぼも風も、みんな馬頭琴の音色に誘われてやってくるのですね。(女性)
●赤とんぼの曲に合わせて赤とんぼが集まってきたり、馬の疾走する曲の時に風が吹いてきて、自分もあたかも馬に乗っているかのような気がして、自然と一体になった感のあるコンサートでした。
(宇都宮市・男性)
●ちょうど曲の流れに合うように、鳥が鳴き、トンボが舞い、風が木々を揺らし、葉音が聞こえ、心の浄化させていただきました。(宇都宮市・女性)
●「風の馬」で急に風が吹いた時、偶然ではない何かが働いたように感じました。(女性)
●トンボが飛び、風がときおり吹いて、映画の1シーンにいるような感じがして、とても心地良かったです。(女性)
●トンボ、風、太陽、すべてが演奏を手助けしているようで神秘的でした。
また、運営されている方々もとっても親切で、心から楽しむことができました。(大田原市・女性)
●期待の高まるアプローチ、素晴らしい舞台、そしてもちろん演奏。「風の馬」の時、ちょうど風が吹き抜けたのは、ここでしかあり得ない奇跡的な演出でしたね。(東京都・男性)
●自然の棚田をもとに、まわりの木々、そして何千匹?の赤とんぼが舞う会場。自然を大切に愛する人たちへの神様からの贈り物のように思えました。
美炎さんの馬頭琴の演奏のすばらしさと、スタッフの皆さんの、細やかな優しい心配りおもてなしが心に響きました。(那珂川町・男性)
●6年間毎回、棚田のコンサートがお天気に恵まれているのは”キセキ”です。
何かわからないけど、異次元の力を感じる2時間です。
●非現実な世界にいざなってもらえる、素晴らしいコンサートでした。(鹿沼市・男性)
●棚田の会場がとても素晴らしいです。
谷間に光が差し込んでいる演台の1本の木も含めて馬頭琴の音色が流れていて、それが秋の空へ吸い込まれていく感じがしました。(東京都・男性)
●驚いたのは、棚田に囲まれた演奏会場です。 自然そのものの中での音は、邪魔するものが何もない本当の調べがあるような気がしました。(大田原市・女性)
●美炎様のお人柄はもちろん、地域の皆様のご協力とご理解があって、こんなに素敵なコンサートができるのだろうなぁと思いました。駐車場、道中、会場、受付けの方々、皆様の暖かさを感じられる心温まる本当に素敵な秋の1日となりました。(東京都・女性)
●青空と赤とんぼ、、蝶の舞い、栗のイガ、野アザミが咲き、書いたら書ききれないくらいの素晴らしいシチュエーションの中、馬頭琴の音色が、自然のホールに響く、という何とも贅沢な時間なのでしょう。
仕事を代わってもらい東京から聞きに来た甲斐は150%、いや200%!!(東京都・女性)
●馬が駆ける様が、見えるような演奏でした。(女性)
●風に吹かれて虫の声や鳥の声を聴きながら、日射しの下でのんびり聴く演奏会、やはりとても気持ちよく来てよかったです。
美炎さんの歌声がとてもキレイで、涙が出そうになるくらい感動的でした。
馬頭琴の音を聴くと、心が温かくなるような気がします。
優しく強く、まるで生きている馬のようでした。(那須塩原市・女性)
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他にも、本当にたくさんの感想を頂きました。中には俳句を読んでくださった方、スケッチを寄せてくださった方もいらっしゃり、多彩な表現の数々に感嘆いたしました。すべてをご紹介できず申し訳ありません。アンケートにお答えいただいた皆様、本当にありがとうございました。
(全てのご感想は、こちらでご覧ください。→「お客様のご感想(Facebook)」)
ご協力ありがとうございました
遠い駐車場から歩いてくださったお客様、遠くからカートを押して来て下さった地域のおばあちゃん達、
当日、看板設置や駐車場誘導等にご尽力いただいた皆様、受付業務を担当して下さった皆様、
棚田でのCD販売やサイン会のお世話、受付広場での案内やヒロクラフト作品を販売して下さった千葉組の皆様、
毎年東京から駆けつけてくださる寅組の皆様、
当日や準備段階でお手伝いいただいた「那珂川町地域おこし協力隊」の皆様、
チラシ配布やポスター掲示に御協力いただいた沢山の店舗や個人の皆様、
町内プレイガイドになって下さった「ファッションあらい」様、
キーボード用のバッテリーを用意して下さった「川和自動車」様、
仮設トイレや看板を貸してくださったフジタ様、
受付や販売用のテントを貸してくださった皆様、
美味しいパンを販売して下さった「パン職人いっぴ」の皆様、
駐車場用地を貸して下さった「東京ガイシ」様、
棚田会場だけでなくその周辺も含めて綺麗に整備して下さった地域の皆様、
駐車場から会場までの道の周囲の草刈りをして綺麗にして下さった地域の皆様、
演奏者に花束を贈ってくれた地域の子ども達、
テント、テーブル、椅子、雨天時の会場を貸して下さった小口行政区様、
演奏会の後援をいただいた那珂川町教育委員会、那珂川町観光協会、㈱下野新聞社様、
写真やビデオを撮ってくれた写真スタッフの皆様、
スタッフ用の昼食を作ってくださった梅平地区のお母さま方、
雨天時会場用にスライドショーを製作および当日録画を担当してくださったM様、
駐車場から受付まで歩くお客様を気遣い支えてくださった地域の皆様、
道案内スタッフを気遣って下さった地域の皆様、
アンケートに感想を寄せて下さったたくさんの皆様、
演奏会の紹介をして下さった下野新聞、朝日新聞、東京新聞、とちぎ読売、とちぎ朝日、他各新聞社様、
地元ケーブルテレビ「なかテレビ」の皆様、
演奏会場としての棚田に息を吹き込み続けるシゲルさん、
受付広場として畑を使わせてくださっているサクライさん、
そして馬頭琴奏者・美炎さん、キーボード奏者・竹井美子さん、ドラムスパーカッション奏者・前田 仁さん、
こちらも気づかない所でご配慮いただいた沢山の皆様、
そして、いつもなにかと不自由を強いているかもしれない子ども達、
本当にありがとうございました。
寄付
今回の収益の一部は地元「小口行政区」に寄付させていただきました。
次回へ向けて
次回は、2017年10月15日(日)に第7回を予定しています。
詳細については夏以降、チラシ、ポスター、サイト等にて改めてご案内したいと思っております。
いつもお出で下さっている皆さまも、次回は行ってみようかなとご検討いただいている皆さまも、
秋の棚田でお会いできることを楽しみに、これから準備を進めてまいりたいと思います。
最後までご覧いただき、お読みいただき、ありがとうございました。